リグレッションテストと再テストの違いとは

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リグレッションテストって、後悔するテストのこと?

違うよ!
修正が原因で、他の機能が壊れてないか確認するテストだよ

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じゃあ再テストはリベンジするテスト?

バトルじゃないから!
今日は、リグレッションテストと再テストの違いについて解説するね

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リグレッションテストとは

リグレッションテストは、システムで新しい機能の追加やバグ修正が行われた後、既存の機能が正しく機能しているかを確認するテスト手法になります。リグレッションテストは、「回帰テスト」や「退行テスト」とも呼ばれています。

目的:

主な目的は、新しい変更(機能追加、バグ修正、システム更新など)が、既存機能に悪い影響を与えないことをテストし、「今まで通り問題なく動くか」を確認することになります。リグレッションテストは、変更箇所だけでなく、システム全体を対象に広範囲で実施されます。

リグレッションテストについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
【ゼロからわかるシステムテスト入門】ーリグレッションテストとは何か?ー

再テストとは

再テストは、特定のバグ修正が行われた後、その修正が正しく機能しているかを確認するテスト手法になります。

目的:

主な目的は、バグ修正された箇所が正しく修正され、再発していないかを確認することになります。バグ修正をした後、同じ操作を行い修正が成功しているか、再発しないかをチェックします。再テストは、修正された部分に焦点を絞って実施されます。

リグレッションテストと再テストの違い

ソフトウェア開発のテストにおいて、リグレッションテストと再テストは、どちらも品質保証に欠かせないテスト手法です。2つのテストは、それぞれ異なる目的や実施タイミングを持っています。2つのテストはどのような違いがあるのか、以下に解説します。

目的の違い:

  • リグレッションテスト:新しい機能追加やバグ修正の変更箇所が、既存機能に悪い影響を与えていないことを確認します。
  • 再テスト:特定のバグが修正され、正しく機能しているかを確認します。

実施タイミングの違い:

  • リグレッションテスト:新しい機能追加やバグ修正後に、変更がシステム全体に悪い影響を与えないかを確認するために実施します。また、ソフトウェアがアップデートされたり、新しい環境での動作を確認したりするタイミングでも実施します。
  • 再テスト:バグ修正が行われた後に、その修正部分が問題なく動作するかを確認するために実施します。

範囲の違い:

  • リグレッションテスト:広範囲にわたるテストを実施します。新機能や修正によって影響を受ける可能性がある全ての機能が対象のため、優先順位をつけてテストケースを作成する必要があります。
  • 再テスト:特定の修正箇所に絞ってテストを行います。修正内容に焦点を当て、その部分だけにテストケースを絞って実施するため、テストの範囲は狭くなります。

自動化の違い:

  • リグレッションテスト:リグレッションテストは、システム全体で繰り返し実施する必要があります。そのため、自動化が非常に効果的です。
  • 再テスト:再テストは、特定の修正部分に対して行われ、バグ修正後の迅速な確認をするため、自動化ではなく手動で行うことが多いです。必要に応じて自動化は有効ですが、テストケースの数が限られているため、自動化しないことが多いです。

結果の扱い:

  • リグレッションテスト:不具合が発見された場合、システム全体に関わる可能性があるため、影響範囲を特定し、修正が必要です。
  • 再テスト:不具合が発見された場合、その修正が適切に行われていない可能性があり、再度修正が必要です。

このようにリグレッションテストと再テスト、それぞれの特性を活かすことで、品質向上にもつながります。

リグレッションテストと再テストの違い

リグレッションテストと再テストのメリット

リグレッションテストと再テストは、ソフトウェアの品質保証において欠かせない重要なテスト手法です。それぞれのテストが持つメリットを活かすことで、システム全体の安定性や信頼性を確保することができます。

リグレッションテストのメリット

  1. システム全体の安定性を強化:
    新しい変更が既存の機能に悪い影響を与えないことを確認することで、システムの信頼性を高めます。
  2. 品質保証を強化:
    新しい機能や修正が既存の機能に悪い影響を与えていないことを保証し、品質の向上に寄与します。
  3. リスク軽減:
    ソフトウェアの更新が他の部分に与える影響を早期に発見し、重大な不具合を未然に防ぐことができます。

再テストのメリット

  1. 迅速な修正確認:
    バグが再発しないか、修正が適切に行われたかを迅速に確認できます。
  2. 効率的なリソース利用:
    再テストは特定の修正部分にフォーカスするため、テスト範囲が小さく、リソースを無駄にすることがありません。
  3. コスト削減:
    特定のバグに集中するため、テスト工程を効率化でき、全体的なコスト削減が可能です。

リグレッションテストと再テストの使い分け

リグレッションテストと再テストは、どちらも重要な役割を果たしますが、それぞれ異なるタイミングと目的で使われます。

テストの使い分け:

  • リグレッションテスト:新機能追加、バグ修正、アップデートとパッチ適用
    システム全体が変更によって問題がないことを確認するため、広範囲に実施します。大規模な変更後は、必ず実施することが不可欠です。
  • 再テスト:バグ修正後、マイナー変更後
    特定のバグ修正が行われた後、その修正が正しく行われたかを確認するために実施します。小規模な変更の場合でも、再テストを実施することで適切に修正されたかを確認することができます。

テストの優先度:

  • リグレッションテスト:大規模な変更時は優先度が高い
    特に新機能や大規模な変更がある場合は、優先して行う必要があります。再テストが実施される場合は、再テスト後または再テストと同時に実施されることが多いです。
  • 再テスト:優先度が高い
    特定のバグ修正が完了した時点で、その修正に問題がないことを確認するために行います。バグ修正後に再テストを行うため、通常ではリグレッションテストよりも前に実施されることが多いです。

リグレッションテストと再テストの使い分け

リグレッションテストと再テストの自動化

リグレッションテストでは、広範囲のため自動化することにより、効率的にテストすることができます。再テストではバグ修正のため、手動テストの方が効果的なことが多いですが、必要に応じて自動化することもあります。

自動化のメリット:

  • 効率化:自動化により、テストの実行時間が短縮され、反復的なテストが容易になります。
  • 品質向上:自動化により、手動テストである人為的なミスを減らし、テスト精度を向上させることができます。

リグレッションテストでも再テストでも、必要に応じて自動化を適切に取り入れることで、効率的なテストが実現可能になります。

まとめ

リグレッションテストと再テストは、それぞれ異なる目的を持ち、ソフトウェアの品質保証において重要な役割を果たします。リグレッションテストは変更後のシステムの安定性を確保し、再テストは修正した箇所が正しく動作することでシステムの信頼性を確保するのに役立ちます。それぞれのテスト特性を活かし、必要に応じて組み合わせることで、システムの品質を効果的に高めることができます。

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