昨日徹夜でテストやったけど、まだ終わらなくて…。
もう目がショボショボだよ。
だから言ったでしょ?
ちゃんとテスト計画を立ててスケジュール通り進めてって。
目が疲れすぎて画面も真っ白に見えるよ・・・
大丈夫なの?って
それはバグで画面が真っ白なだけ!すぐに修正して!
今日はモバイルアプリの品質を保証するテスト戦略を解説するね。
モバイルアプリの品質を保証するには
モバイルアプリの品質を保証するためには、適切なテスト戦略とプロセスが欠かせません。テストを通じて、アプリが意図した通りに動作し、ユーザーに優れた品質を提供できるかを確認することが重要です。
モバイルアプリのテストの重要性
モバイルアプリのテストは、アプリが実際の使用条件下で期待通りに動作するかを確認するための重要なプロセスです。適切なテストを実施することで、エラーや不具合を未然に防ぎ、アプリの品質を維持します。
品質保証の目的
品質保証の目的は、アプリが意図した機能を正確に提供し、ユーザーの期待に応えることです。品質保証を通じてアプリの信頼性と安定性を確保し、ユーザーからの信頼を得ることが期待できます。
品質保証、品質検証については、こちらの記事をご参照ください。
【ゼロからわかるシステムテスト入門】ー品質保証、品質検証が必要な理由
モバイルアプリのテストの種類
モバイルアプリのテストでは、主にクライアントの要望部分となる機能テストと、セキュリティ等の根幹部分となる非機能テストがあります。
機能テスト
機能テストは、アプリが要求された機能を正しく実行するかを確認するテストです。各テストを紹介します。
- 単体テスト:単体テストは、アプリの個々の機能が正しく動作するかを確認します。コードの各部分を独立してテストするため、バグや不具合を早期に発見しやすくなります。
- 総合テスト:総合テストは、アプリの複数の機能が統合された際に、全体が正常に動作するかを確認します。機能間の連携や統合に問題がないかを評価します。
- 回帰テスト:回帰テストは、新しい機能の追加やバグ修正後に、既存の機能が引き続き正常に動作するかを確認します。これにより、アプリの安定性を保ちながら新しい機能を追加できます。
各テストについては、こちらの記事をご参照ください。
【ゼロからわかるシステムテスト入門】ー単体テストにおける観点とはー
【ゼロからわかるシステムテスト入門】ー単体テストと結合テストの違いー
【ゼロからわかるシステムテスト入門】ーリグレッションテストとは何か?ー
非機能テスト
非機能テストは、アプリのパフォーマンスやユーザー体験に関する要件を評価します。各テストを紹介します。
- 脆弱性診断:脆弱性診断は、アプリがデータやユーザー情報を適切に保護しているかを確認します。脆弱性やセキュリティリスクを特定し、適切な対策を講じます。
- 負荷テスト:負荷テストは、アプリが異常な負荷やトラフィックを処理できるかを確認します。ピーク時のパフォーマンスを評価し、適切な対策を講じます。
- UI/UXテスト:UI/UXテストは、アプリのユーザーインターフェースとユーザー体験を評価します。アプリが使いやすく、直感的であるかを確認し、ユーザー体験を向上させます。
各テストについては、こちらの記事をご参照ください。
【脆弱性診断とは?必要性や費用も解説】ー脆弱性診断でよくあるお悩み
【負荷テストとは?必要性や手順も解説】ー負荷テストでよくあるお悩み
モバイルアプリ特有のテスト要件
モバイルアプリのテストには、特有の要件があります。これには以下の点が含まれます。
- デバイスの互換性:複数のデバイス、OSバージョン、画面サイズに対応することが求められます。
- ネットワーク条件:さまざまなネットワーク環境(3G、4G、5Gなど)での動作を確認します。
- バッテリー消費:アプリがバッテリーを過度に消費しないかをチェックします。
- インストールとアップデート:アプリのインストールやアップデートがスムーズに行えるかを確認します。
- タッチインターフェース:モバイルデバイスのインターフェースはタッチ操作が主であるため、スワイプ、ピンチ、タップなどの正確さを確認します。
テスト戦略の構築
特有のテスト要件を満たすためには、効果的なテストサイクルを構築するテスト戦略が必要です。テストサイクルは、テストプロセスの各フェーズを計画、実行、評価する一連の流れです。中でも効果的なテスト計画やテストケースを作成することで、テストの効率と品質を向上させることができます。
テスト計画の立て方
テスト計画には、テストの目的、範囲、リソース、スケジュールなどを含めます。計画的に進めることで、テストの精度と効率を高め、リリース前にアプリの品質を確保します。
テストケースの作成
テストケースは、テストの具体的なシナリオや手順を含めます。詳細なテストケースを作成することで、問題を正確に特定することができます。
テスト自動化の導入
テスト自動化は、テストプロセスの効率を向上させ、繰り返し実行が必要なテストを自動化することができます。自動化によって、テストの効率性と効果を大幅に向上させることが期待できます。
テスト自動化のメリットとデメリット
自動化テストのメリットとデメリットを紹介します。自動化を導入するにあたり、メリットデメリットを理解する必要があります。
メリット
1.効率性の向上
- テストのスピード:自動化テストは手動テストに比べて高速に実行されます。大規模なテストでも短時間で完了します。
- 繰り返しの容易さ:自動化により同じテストケースを何度でも繰り返し実行することができ、テストの一貫性を保てます。
- 長期間のテストの実施:長時間にわたって安定的にテストを実行できるため、夜間や休日にもテストを行うことができます。
2.膨大なテストデータの実施やテストの強化
- 膨大なテストデータの実施:自動化ツールを使うことで、手動ではカバーしきれない膨大なテストケースやシナリオを簡単に実行できます。
- 回帰テストの強化:ソフトウェアの変更後も、自動化されたテストを使用して、既存の機能に対する回帰テストを効率的に行えます。
3.コストの削減
- 長期的なコスト削減: 初期の導入コストは高いものの、長期的には手動テストに比べてコストを削減できます。特に、頻繁にアップデートがあるプロジェクトでは、コスト削減が期待できます。
デメリット
1.初期コストの高さ
- ツールのライセンス費用:高品質な自動化ツールには高額なライセンス費用がかかることがあります。
- スクリプトの作成とメンテナンス:自動化スクリプトの作成とメンテナンスには、専門的な知識と時間が必要です。
2.メンテナンスの複雑さ
- 頻繁な更新の必要性:アプリケーションの変更に伴い、スクリプトの更新が頻繁に必要となります。
- デバッグの難しさ:自動化スクリプトのバグやエラーのデバッグは、手動テストに比べて難しいことがあります。
3.ツールの限界
- すべてのバグを検出できない:自動化ツールはすべてのバグを検出できるとは限りません。特に複雑なUIの場合は、手動テストが必要になります。
4.初期の導入の複雑さ
- 初期導入の学習:自動化ツールの習得には時間がかかるため、チーム全体でのトレーニングが必要です。
- 環境設定の難しさ:自動化環境のセットアップや構成に時間と労力がかかることがあります。
テストの自動化については、こちらの記事をご参照ください。
【ゼロからわかるシステムテスト入門】ーテストの自動化がもたらす、メリット・デメリットとは?ー
【ゼロからわかるシステムテスト入門】ーテストの自動化ツール比較してみました!ー
まとめ
モバイルアプリの品質を保証するためには、機能テストと非機能テストを組み合わせ、アプリの特性に応じたテストを構築することが重要です。
特有のテスト要件を理解し、効果的なテスト計画や自動化を構築することで、アプリの品質が向上し、ユーザー満足度に繋がることが期待されます。モバイルアプリは特有のテスト要件が多いため、必要に応じてアウトソースすることも有効です。
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テストをアウトソースするメリットについては、こちらの記事をご参照ください。