テストの自動化がもたらすメリットデメリットとは

市場のニーズの変化が激しい昨今では、システム開発に長い時間をかけてしまうと市場ニーズが移り変わって、完成したシステムが不要になってしまう可能性があります。そこでスピーディーなシステム開発を行うために、「テストの自動化」が注目されています。今回はテストの自動化がもたらすメリットとデメリットについて解説します。

テストの自動化とは

システム開発においてテストとは、システムが想定通りの動作をするかを確認する作業のことで、不具合の発生を防ぐために必要な工程です。
テストの自動化とは、テストを自動で実施する専用のツールに手順を設定することで、テスト工程を自動化することです。
自動化に適さないテスト内容を含む場合があるため、導入の際にはシステムにあったツールを選び、テスト工程のどの範囲を自動化するかを事前に判断しておきましょう。

システム開発におけるテストの概要については、以下の記事をご参考ください。
【ゼロからわかるシステムテスト入門】ー単体テストと結合テストの違いー
【ゼロからわかるシステムテスト入門】ーテスト観点とはー

テスト自動化がもたらすメリット

テストの自動化がもたらす主なメリットは以下の7つです。
メリットをうまく活かせる場合は、テストの自動化を実施することで業務を効率的に行うことができる可能性が高いと言えます。

・不具合を早期に発見できる。
テストを自動化することで、より高い頻度で定期的にテストを実行できるようになるため、不具合を早期に発見できる可能性が高くなります。
早期発見により早い段階で不具合を修正することができ、修正コストの削減や開発時間の短縮につながります。

・人手不足の影響を受けない。
テストを自動化することにより、人手が不足していても滞りなくテストが行えるようになります。実際には人員がいない勤務時間外であっても自動でテストを行うことも可能であり、人員の有無に左右されずテストを実施できるようになります。

人がいなくてもいつでも働きます

・同じテストを何度でも繰り返し実行できる。
テストを自動化することで、同じテストを低コストで何度でも実行できます。人の手でテストを行う場合は、同じ作業でも繰り返した回数分の工数がかかりますが、自動化した場合は一度設定したテストを何度でも繰り返し実行できます。繰り返し実行する必要のあるテストを自動化することで人的コストを削減し、テストにかかる総コストを抑えることができます。

・テストを速く正確に実施できる。
テストを自動化することでテストを高速で完了できるため、開発時間の短縮につながります。熟練の専門家であっても人の手によるテストでは、ヒューマンエラーが発生する可能性があります。テストをシステムに行わせることでヒューマンエラーを排除でき、人の手よりも速く正確にテストを実行できます。

・テスト範囲が大きくなった場合でもカバーできる。
テストを自動化することで、テスト範囲の拡大にも対応できるようになります。自動化により複数の範囲を同時にテストし、結果を確認することができます。急にテスト範囲が拡大した場合でも、自動テストによって複数のテスト範囲を同時並行でテストし、人の手で結果を確認することで対処できます。

・改めてシステム仕様の把握ができる。
システムのテストを繰り返すなかで、システムの問題や課題を発見し修正を行います。新たなテストの自動化を行う際には、再度システムの機能や仕様を確認することができます。
またシステムにおいて、テストデータをインプット・アウトプットする際の仕様についても把握、再確認することができます。

・テスト手順の再整理ができる。
テストを自動化する過程でテスト手順を明確化する必要があるため、必然的にテスト手順の再整理ができます。システムの操作手順や使用するデータについて再確認することで、テスト手順を改良できる場合があります。

テスト手順を再確認し、改良できます

テスト自動化がもたらすデメリット

テストの自動化がもたらす主なデメリットは以の5つです。
先述のメリットに対してデメリットが勝る場合は、テスト自動化を行ったとしても思うように活かせない可能性があります。

・初期コストが大きくなりやすい。
テスト自動化を導入する際には、テスト内容を整理し専用のツールにテスト手順を設定する必要があり、時間や労力が通常のテストを行う以上にかかります。
社内での設定が困難であれば、外部に委託することも一つの手段です。

・アップデートやスクリプトメンテナンス等の保守対応に工数を割く必要がある。
テスト自動化の設定が完了した後にも、定期的にアップデートやスクリプトメンテナンスを行う必要があります。コストをかけて自動化の設定をしたとしても、テストに関連する業務の工数がまったくなくなるわけではありません。テスト自動化後にかかる工数も考慮したうえで、自動化を検討するようにしましょう。

定期的に改修、調整、修理を行いましょう

・事前に設定したテストしか実行できない。
テストを自動化した場合、事前に設定したテスト手順通りにしかテストを行うことはできません。テスト実行中にエラーが発生した際に、そのエラーがテスト設定の際に予想されていなければ、不具合として検知できない可能性があります。予期せぬエラーにできる限り対応できるように、テスト手順の設定を工夫する必要があります。

・自動化が適していないテストもある。
動作を繰り返し実行するテストは自動化に向いていますが、ユーザー目線が必要となるテストは向いていません。例えば画面に映像が正しく映っているかを確認するテストは、自動テストでは画面表示を直接見ることができないため不具合を見つけることが困難ですが、人の手によるテストであれば一目ですぐに不具合を見つけることができます。

・テスト自動化により品質があがるわけではない。
テストを自動化するだけで品質があがると誤解されがちですが、実際はそうではありません。テストの目的は不具合の有無を判定し品質を保証することです。テストを自動化することで品質保証の精度はあがる可能性がありますが、これだけでは品質はあがりません。テスト結果を基に品質をあげるための改良を別途行う必要があります。

今の画面は、人間から見るとどのように見えているんだろう?

テスト自動化を行う際の手順につきましては、以下の記事をご参考ください。
GENZ Webテスト自動化

まとめ

テストの自動化とは、テストを自動で実施する専用のツールに手順を設定することで、テスト工程を自動化することです。

テストの自動化には、不具合が早期発見できる、テストに人手が不要である、などテスト実行を効率的に行えるメリットはありますが、一方で事前に設定したテストしか自動実行できず、テストを実施するためにかえって大きな工数がかかってしまうこともあります。
メリットとデメリットをよく理解したうえで、有効な範囲でテストの自動化を導入しましょう。

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