1.スキルとは?
スキルとは、知識、実践、および適性からくる、何かをうまく行う能力のことを指します。
効率的にテストを実施し、発見しにくいバグを検出するためには、様々なスキルを身に着ける必要があります。
2.スキルの種類
2.1汎用的スキル
汎用的スキルとは、様々な業界やプロジェクトでテスト活動を遂行する上で必要とされる能力や特性のことを指します。
テスト担当者に特に関連するスキルとして以下のようなものが挙げられます。
①技術スキル
テストツールやフレームワークの知識、プログラミング言語の理解、データベース操作の能力など、技術的なスキルを指します。テスト技法の活用などによりテストの有効性を高めるために必要なスキルです。
また、適切なテストツールの使用によりテストの効率性を高めることにも繋がります。
②問題解決能力
問題を見つけ、分析し、解決する能力を指します。
発見しにくいバグを検出するために、「徹底」「慎重」「好奇心」「細部へのこだわり」「論理的思考」などのスキルが必要とされます。
③分析力
複雑な情報やデータを理解し、要約し、問題を解決するために必要な能力です。
テストケースを設計し、適切なカバレッジを確保するために、システムやアプリケーションの動作を分析する能力が必要です。
テストの有効性を高めることにも繋がります。
④コミュニケーションスキル
テスト担当者にとってコミュニケーションスキルは非常に重要です。
開発者やプロジェクトマネージャーとの円滑なコミュニケーションを取り、テストの進捗状況や問題点を効果的に伝える能力が求められます。
また、顧客の業界知識や課題は何かを理解した上で、コミュニケーションを取ることも大切です。
⑤チームプレイ
テスターは通常、開発者や他の関係者と協力して作業します。チームでの効果的な協力やリーダーシップスキルが重要です。
他の開発者やテスターと協力してテストを実施し、問題の特定や解決に取り組みます。
チームとの円滑なコラボレーションが、プロジェクトの成功に不可欠です。
⑥自己学習能力
技術は常に進化しています。現代の変化の激しい社会やテクノロジーの発展において、新しいテスト手法やツールを取り入れ、自己学習する能力がとても重要です。
自己学習能力を持つことで、新しい状況や課題に適応し、持続的な成長と成功を実現することができます。
2.2 チーム全体アプローチ
チーム全体アプローチとは、チームが共同で目標を達成するために協力し、協調して取り組む方法やアプローチのことを指します。このアプローチは、個々のメンバーがそれぞれの専門知識やスキルを持ち寄り、相互補完し合うことによって成り立ちます。
プロジェクトや目標の達成において非常に効果的であり、メンバー間の信頼や協力関係を築く上でも重要です。
チーム全体アプローチの特徴として以下のようなものが挙げられます。
①協力と連携
チーム全体が共通の目標に向かって協力し、連携して取り組みます。各メンバーが自分の役割と責任を理解し、他のメンバーとの連携を重視します。
②コミュニケーションの重視
チームメンバー間のオープンで効果的なコミュニケーションが重要です。意見や情報を共有し、問題や課題について議論し、解決策を共同で考えます。
③相互補完性
チームメンバーはそれぞれ異なるスキルや専門知識を持っています。チーム全体が相互補完的な役割を果たし合うことで、より効果的に目標を達成します。
④柔軟性と適応性
変化や課題に対して柔軟に対応し、適応する能力が求められます。チーム全体が迅速に状況に適応し、必要に応じて戦略や計画を調整します。
⑤共有責任と成果の共有
成功や失敗はチーム全体の責任とされます。メンバーは共同で目標を達成する責任を持ち、成功を共同で祝い、失敗から学びます。
2.3 テストの独立性
開発に携わっていない人間がシステム・ソフトウェアの検証をすることは、非常に重要です。
開発者とテスト担当者の認識バイアス(バグがないという思い込み)の違いにより、テスト担当者がより効果的にバグを発見できるようになります。
専門的な知識や技術を持ったテストのスペシャリストによる客観的視点を取り入れることで、開発者では見落としがちな事象を効率的に検出できます。
検証・テストの部分を第三者に依頼し、開発者は専門分野に専念することで、開発におけるQCD(品質・コスト・納期)の改善・向上が期待できます。
注意点としては、開発側との関係が悪くなってしまう可能性があります。開発者も自分が開発したものに何度も指摘されるのはいい気分でありません。問題点の伝え方や双方が納得できる落としどころを見つけ、協力し合いながらリリースの遅延などが発生しないように配慮することが大切です。
3.まとめ
円滑なプロジェクト進行には、チームでの協力、コミュニケーションが最重要です。
技術的なスキルはもちろんですが、開発者・テスト担当者双方が尊重し合える関係を築くことも大切なスキルです。
新しいテスト技法やツールを積極的に取り入れ、常に最新の情報を収集しておくことも自身の成長のためにも重要なことです。