JSTQB2023最新版シラバス対応

1.成功に対するテストの貢献

テストをすることは、ソフトウェア開発サイクル(SDLC)の様々な段階において、品質を直接評価する手段を提供します。テストは、SDLCにおいて非常に重要な役割を果たし、プロジェクトのリリースなどの次のステージに移行するための判定に貢献します。以下は、テストがプロジェクトのリリースの判定に貢献する理由です。

①品質の保証

テストは、ソフトウェアの品質を保証するための重要なプロセスです。テストを通じて、ソフトウェアが要件を満たし、期待通りに機能することを確認します。品質が低いソフトウェアはリリースされるべきではないため、テストによって品質の保証が行われます。

②バグの特定

テストは、ソフトウェアに存在するバグや問題を特定するためのプロセスでもあります。バグがあると、ユーザーエクスペリエンスが損なわれたり、セキュリティ上のリスクが生じたりする可能性があります。テストによって、これらの問題を特定し、修正することができます。

③要件の満たし判定

テストはソフトウェアが要件を満たしているかどうかを確認するための手段でもあります。要件が満たされていない場合、ソフトウェアはユーザーの期待に応えることができず、リリースすることは適切ではありません。

④リスクの最小化

テストは、リリースされたソフトウェアがユーザーに影響を与える可能性のあるリスクを最小化するための手段でもあります。テストによって、バグや問題が特定され、修正されることで、ユーザーへの影響を軽減することができます。

⑤信頼性の確保

テストによって、ソフトウェアの信頼性が確保されます。信頼性の低いソフトウェアはユーザーに不満を与え、信頼を失う可能性があります。テストによって、信頼性の高いソフトウェアを提供し、ユーザーの信頼を維持することができます。
以上の理由から、テストはプロジェクトのリリースの判定に不可欠な要素であり、SDLCの次のステージに移行するための重要な判定基準となります。

2.テストがリリースの判定に貢献した事例

テストが医療情報管理システムのリリース判定に貢献した事例を以下に記載します。

-医療情報管理システムのリリース判定-

【背景】

ある医療機関が、患者の医療情報を管理するための新しいシステムを開発しています。このシステムは、患者の診療記録の管理、予約の管理、処方箋の発行などの機能を提供します。

【テストの役割】

テストチームは、開発チームと協力して、システムのテスト実施をしました。テストでは、以下のような要件がテストされました。
1.医療情報が適切に保存され、アクセス制御が正常に機能するかどうか。
2.予約機能が正常に動作し、患者が予約を行い、医師がそれを確認できるかどうか。
3.処方箋が正しく生成され、患者が薬局で処方薬を受け取ることができるかどうか。
4.システムが患者の個人情報を適切に保護しているかどうか。

【貢献した事例】

テスト中に、システムが患者の医療情報を正しく保護していないことが判明しました。具体的には、システムが暗号化されていない状態で情報を保存していることが発見されました。これは患者のプライバシーに対する重大なリスクであるため、システムのリリースは保留されました。

【結果】

開発チームは、テストの結果を受けて、システムのセキュリティ機能を強化しました。暗号化が実装され、再度テストが実施され、問題が解決されたことが確認されました。その後、システムはリリースされ、医療機関で運用されました。

【結論】

テストによって、患者の医療情報を適切に保護するためのセキュリティの問題が特定され、修正されました。テストはプロジェクトのリリース判定に不可欠な役割を果たし、患者のプライバシーと安全性が確保されたシステムの提供に貢献しました。

3.まとめ

テストをすることは、SDLCの様々な段階において非常に重要な役割を果たし、プロジェクトのリリースなどの次のステージに移行するための判定に貢献していきます。

 

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