
コーヒー石鹸と、竹炭石鹸と、はちみつ石鹸と…
珍しい石鹸が揃ってるね。どうして?


石鹸所を作るように言われて、準備してるんだ!
石鹸所ではなくて、設計書でしょ!?
え、じゃあこの塩は?


あ、塩所(しおじょ)もお願いされてて!
テスト仕様書のことね・・・
今日はテスト仕様書とテスト設計書について解説するね。

テスト設計書とは
テスト設計書は、テスト計画の全体像を示す文書です。
主な目的は、テスト対象やテスト環境、テスト手法を明確にすることです。
- テストの目的:何をテストするのか
- テスト範囲:どこまでをテスト範囲にするか
- テスト観点:テスト目的から、何をテストで確認したいか
- テスト条件:どのような条件でテストを実施するか
テスト仕様書とは
テスト仕様書は、具体的なテストケースや手順を詳細に記述した文書です。
主な目的は、テスト実行に必要な情報を明確に伝え、スムーズにテストを実施することです。
- テストケースの対象:テストケースの対象
- テストケースの詳細:テスト設計書をもとにした各テストの目的や条件
- 実行手順:テストをどのように実施するかの手順
- 期待される結果:テストが成功するための基準、期待値
テスト設計書とテスト仕様書の違い
テスト設計書とテスト仕様書は、異なる役割を持ちます。テスト設計書は全体的な戦略を示すのに対し、テスト仕様書は具体的な実行手順になります。以下にその違いを紹介します。
特徴 | テスト設計書 | テスト仕様書 |
---|---|---|
目的 | テスト全体の計画と戦略を示す | 具体的なテストケースを記述する |
対象 | テスト全般 | 個別のテストケース |
詳細度 | 概要レベル | 詳細レベル |
テスト設計書とテスト仕様書の書くべき項目
テスト設計書とテスト仕様書は、システムの品質を確保するために重要な文書です。これらの文書に書くべき項目を理解する必要があります。
テスト設計書の書くべき項目
テスト設計書では、テスト設計方針を明確にします。以下に項目を紹介します。
- テスト範囲:
テスト範囲は、テストが適用される機能やシステムの部分を明確にします。テストする、しない機能を洗い出し、テストを実施する範囲を決めます。
■ テストする機能:具体的にどの機能をテストするかを示します。
■ テストしない機能:除外する機能も明記することで、テストの焦点が明確になります。 - テスト観点:
テスト観点は、どの視点からテストを実施するかを示します。具体的には以下の内容が含まれます。
■ 機能要件:顧客やユーザ、満たすべき機能の要件を示します。
■ 非機能要件:パフォーマンス、セキュリティ、UI/UXなどの要件を示します。 - テスト条件:
テスト条件は、テストを実施するための前提条件や環境設定を記述します。具体的には以下の内容が含まれます。 - テスト技法や基準の設定:
どのようなテスト設計にするのか、基準はどうするのかを設定します。 - 環境設定:
テストが実行される環境や条件を設定します。
テスト観点の概要について知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。
【ゼロからわかるシステムテスト入門】ーテスト観点とはー
【ゼロからわかるシステムテスト入門】ー単体テストにおける観点とはー
単体テストと結合テストの違いの概要について知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。
【ゼロからわかるシステムテスト入門】ー単体テストと結合テストの違い
テスト仕様書の書くべき項目
テスト仕様書で、テスト設計方針をもとにテストケース等を記載します。以下に項目を紹介します。
- テスト対象:
テスト仕様書では、テストする機能やモジュールを明確にします。 - テスト観点:
テスト観点は、何を確認するか具体的な内容を示します。操作や機能の動作などが含まれます。 - テスト条件:
テストを実施するための前提条件や準備を記述します。 - テスト手順:
テストをどのように実行するか、具体的な手順を詳細に記述します。テスト手順により、誰でも同じテストを実現できるようになります。 - 期待値の設定:
テストが成功するために期待される結果を明記します。期待値の設定により、テストの合否を簡単に判断できるようになります。
このようにテスト設計書とテスト仕様書では、書くべき項目を正しく理解し、記載することで、品質向上につながります。
テスト設計書とテスト仕様書の作成手順
テスト設計書とテスト仕様書で書くべき項目を理解した上で、作成に入ります。これらの文書の作成手順を紹介します。
テスト設計書の作成手順
- テストの目的の明確化:
最初に、テストを実施する目的を定義します。何を検証し、どのような結果を期待するかを明確にします。 - テスト範囲の設定:
テストの対象となる機能やモジュールを特定し、テスト範囲を設定します。どの機能がテスト対象で、どの部分が除外されるかを明確にします。 - テスト観点の洗い出し:
テストを実施する際の観点を洗い出します。 - テスト条件の設定:
テストを実施するための前提条件や環境設定を記載します。必要なテストデータや環境についても整理する必要があります。 - テスト設計書のレビュー:
作成したテスト設計書をチームでレビューし、必要に応じて修正します。レビューすることで、漏れや誤りを防ぎます。
テスト設計書の概要について知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。
テスト仕様書の作成手順
- テストケースの設計:
各テストケースを具体的に設計します。テスト対象、テスト観点、テスト条件をもとに、どのようなテストにするかを決定します。 - テスト手順の記述:
テストケースごとに、実行手順を詳細に記述します。誰でも同じテストが実施できるように、明確に記述します。 - 期待値の設定:
各テストケースに対して、期待される結果を記述します。期待値を設定することで、テストの合否を判断しやすくなります。 - テスト仕様書のレビュー:
テスト仕様書もチームでレビューし、改善点を見つけるプロセスを実施します。レビューすることで、品質向上を期待できます。
テスト設計書とテスト仕様書作成の注意点
テスト設計書とテスト仕様書を作成するにあたり、いくつか注意する点があります。以下に紹介します。
テスト設計書作成の注意点
- テストの目的と範囲の明確化:
テスト設計書では、テストの目的と範囲を明確にする必要があります。どの機能をテストするのか、どのような成果を期待するのかを具体的に記述します。これにより、テストの方向性がぶれず、チーム全体の理解が深まります。 - テスト観点の整理:
各テスト工程に応じて要件やリスクを考慮し、テスト観点を整理する必要があります。そのようにテスト観点を整理することで、漏れや抜けのないテストを実現することが期待できます。
テスト仕様書作成の注意点
- 詳細なテストケースの記述:
テスト仕様書には、各テストケースの具体的な内容を詳細に記述します。入力値、期待結果、実行手順などを明確にすることで、テストの実行がスムーズになります。特に、異常系テストも網羅することが重要です。 - テストケース品質の均一化:
設計者によってテストケースの内容のばらつきを避けます。テスト観点を明確にすることで、テストケースの均一化を図ります。また、表現のばらつきも避けます。設計者ごとに同じ内容でも違う言葉で書かれると、テストを実施する際に混乱や失敗を招く恐れがあります。 - 変更管理の徹底 :
変更があった場合には、テスト仕様書も随時更新することが重要です。更新を徹底することで、常に最新の状態でテストを実施できます。
このようにテスト設計書とテスト仕様書を作成する際、これらの注意点を意識することが必要です。注意することで効果的なテストの実施が可能になります。
まとめ
テスト設計書とテスト仕様書は、システムテストにおいて重要な文書です。それぞれの役割を理解し、要望に合わせて正確に作成することで、効率的なテストを実現できます。
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