【会社名】 | 株式会社タカギセイコー |
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【対象市場】 | 医療 |
【インタビュイー】 |
開発部 ソフトウェア開発推進担当 チーフエキスパート 永井 数樹 様 |
【採用サービス】 | ITコンサルティング |
【URL】 | https://www.takagi-j.com/jp/ |
今回は、長野県に本社を置く眼科医療専門メーカーの株式会社タカギセイコー(以下、『タカギセイコー社』と記載)の永井様にお話を伺いました。永井様は所属される開発部門において、国際規格に準拠したソフトウェアの開発・推進を担っておられます。
長野から世界へ。80ヵ国に眼の健康を届ける専門メーカーとして、患者様のQOL(Quality Of Life)に貢献し続けます。
まずは改めて、㈱タカギセイコー社の事業と開発部の業務内容を教えて頂きました。
永井様
当社の事業は、眼科医向けの医療機器製造業です。主力製品はスリットランプや手術顕微鏡です。 スリットランプという医療機器を詳しくご存知ない方に、簡単に補足説明させて頂くと、「内科の先生は診察に聴診器を使う。眼科の先生はスリットランプを使う。」 とお伝えするとわかりやすいでしょうか。患者様の目の中に光を入れて、診察する目的で使用される機器です。
それに付随して、患者様は診察中に辛い体勢を強いられるので、その負担を軽減するための専用の椅子や医師が使いやすいテーブル等の什器も製造しています。設計、製造、販売、アフターサービスまでを一貫して行っています。
加速するグローバル化、デジタル化。国際規格IEC62304対応で実現する更なる安全性と信頼性。患者様の未来に向けた挑戦は続きます。
永井様
私の所属する開発部に求められる役割は、新しい製品を市場に出すことです。その中でもソフトウェア開発の推進に注力しています。 当社は2025年6月をもって創業70年を迎えます。 その過程で培ったハードウエア、機械製造の部分は強いのですが、ソフトウェアの領域においてはまだ多くの課題があります。その部分を強化する役割を担っています。
当社は医療機器固有の要求事項に対応した規格であるISO13485認証企業です。ISO13485に対応するソフトウェアの規格がIEC62304です。医療機器に搭載されるソフトウェアのライフサイクルを定義した国際規格です。ワールドワイドに事業を展開するにあたり、同規格への対応は必須です。今回、この規格に準拠した開発プロセスの構築が、私達に課せられたミッションです。
世界的に人口は増えていますが、日本の人口は減ってきています。また、特に先進国と分類される国においては日本同様に高齢化が進んでおり、眼科機器へのニーズは増加傾向にあるといえます。
当社は売上高ベースで見ると、1/3が北米市場向け、1/3が国内、残りの1/3がそれ以外のエリア向けです。 アジア、オセアニア、ヨーロッパ等です。
ヨーロッパを含めると、先進国向けの輸出の占める割合が高いです。
これまで培って得た固有技術に、国際規格に準拠した先端技術を掛け合わせることで、世界中の患者様の目の健康に貢献できると考えています。
ITコンサルティングサービスの高い専門性と知見。当社にとって重要な、開発プロセス構築におけるパートナー企業として、GENZ(ジェンツ)社の協力が不可欠だと感じました。
今回、IEC62304に準じた開発プロセス構築において、当社のサービスを採用頂いた経緯をお聞かせください。
永井様
医療機器に搭載するソフトウェアを開発するにあたり、IEC62304は代表的な規格です。ただ、それに付随して対応しなくてはならない規格が複数あります。
今後、ソフトウェア開発を自社で推進するにあたり、マンパワーには限りがあるので、まずは開発のスキームを構築する。そして、その手順に沿って開発することによって、必要であるべき規格をクリアしていく仕組みを作りたい。それを実現する為のパートナーとして、GENZ(ジェンツ)社を選択しました。
豊富なテスト実績とソフトウェア開発の知見をお持ちなので、そのスキルを当社の開発プロジェクトに活かして頂けるとの期待がありました。
提案自体のQCD(*1)。その総合評価において、GENZ社が一番でした。
類似サービス提供会社が複数ある中で、GENZを採用頂いた決め手をお聞かせ下さい。
永井様
選考過程において、複数社を検討しました。GENZ社がそれほど医療分野に強いということはありませんが、それは他社も同様でした。
何より、ソフトウェア開発関連のスキルや開発における知見に優位性を感じました。新たな取り組みなので未知の領域もありますが、GENZ社と一緒に成長していけるとの感触もありました。
また、GENZ社の主要サービスはシステムテストですので、まずはITコンサルティング分野で医療機器におけるノウハウを積んで頂き、今後はテストの分野でもお付き合いできるのでは、という期待も持ちました。
選考においては、各社から提案を受けるまでを1つのプロジェクトと捉え、QCD(*1)の完成度の高い会社を選ぶことにしました。「Q」は、提案書そのものです。「C」は、提案に費やして頂いた時間と定義しました。資料のボリュームや内容にかかった手間暇の換算値です。「D」は、提案書を完成するまでに要した時間や質疑応答への反応スピード等を見せて頂きました。
その総合評価においてGENZ社が一番でした。
また、当社の5つの行動指針は、「よく考える」、「スピード感を持つ」、「プラス思考である」、「敬意を払う」、「コスト意識を持つ」です。提案を通じて、その部分に共感頂けていると感じられたことも一因です。
(*1)QCD…Q=Quality(品質), C=Cost(費用), D=Delivery(納期)
生成系AIをフル活用しながら、人手をかけてレビューやブラッシュアップを行って成果物を作成頂けました。品質に関する知見やプロジェクトメンバーの開発経験やPMOとしての助言も期待以上でした。
実際に、GENZサービスを利用頂いた上で、良かった点と改善が必要な点をご教示下さい。
良かった点は、自律的にプロジェクトを推進してくれた点です。こちらからすると、とても手離れが良い。効率よくプロジェクトを推進して頂けたと思います。また、提出頂いた成果物も納得感のあるものでした。
また、生成系AIもフル活用しながら、人手をかけて丁寧にブラッシュアップして下さいました。例えば、ペルソナ設定を「なりたてのリーダー」を想定して作成頂きました。専門用語等で難易度の高い語句があった場合には、例示によりわかり易く解説されていました。AIだけで完結する部分でないので、そういった要素を抽出して対応頂いた結果として、品質のいいドキュメントになったと思います。
開発経験を持つメンバーの方がIEC62304の側面のみならず、プロジェクトを推進するという観点においても、PMOの知見を発揮頂けたのではないかと思います。
改善点については、最初にレベル感を合わせておけばよかったと思いますが、成果物のボリュームに若干相違がありました。かなり立派なものを提出頂いたのですが、実際の運用を考慮すると、極力スリム化する必要性を感じました。重複する部分や類似箇所の集約等です。こちらは、既に対応を完了頂いており、修正後の成果物にはとても満足しています。
取材後記
ランチタイムには社員食堂の人気メニューで、食後は地元名産の和栗をふんだんに使用したモンブランケーキでサプライズを演出して下さいました。
温かい「おもてなし」の心で世界に挑む。タカギセイコー様の、より一層のご活躍を心より応援しております。
取材にご協力いただいた企業様
【会社名】 | 株式会社タカギセイコー |
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【対象市場】 | 医療 |
【URL】 | https://www.takagi-j.com/jp/ |
GENZでは、品質コンサルティングをはじめ、機能テスト、脆弱性診断、負荷テストなど
ソフトウェアテストを中心に様々なサービスをご提供しています。
お見積もりは無料です。どんなことでもお気軽にご相談ください。